大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24新(れ)327 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鍛治利一の上告趣意は、末尾に添えた書面記載の通りである。

上告趣意第一点について。

しかしながら憲法第三七条第二項の趣旨は、第三者の供述を証拠とするには、か

ならずその者を公判において証人として訊問することを命じたものではなく、した

がつて聴取書若しくは供述に代わる書面をもつて証言に代えることを絶対に禁じた

ものでないことについては当裁判所の判例とするところである(昭和二三年(れ)

第一六七号同年七月一九日大法廷判決)。それゆえ、原審が所論A、Bに対する検

察官の各聴取書について刑訴法第三二一条第一項第二号後段の規定により証拠とし

て採用することができると判示したことは憲法第三七条第二項に違反するものでは

ないから論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は、刑訴法第三二一条第一項において証拠とすることができると規定した「

被告人以外の者の供述を録取した書面」は供述録取書の原本を意味しその謄本を含

むものではない、然るに原審がAに対する検察官の聴取書の謄本を証拠としたのは

刑訴法第三二〇条第三二一条第一項に違反し結局憲法第三七条第二項に違反すると

いうのである。しかし、刑訴法第三二〇条第三二一条第一項に関する原審の解釈が

誤つているという所論は刑事訴訟法上の問題であつて所論憲法上の問題ではないの

で上告の理由として採用することはできない。

同第三点乃至第六点について

これらの論旨において主張するところは、いずれも刑事訴訟法に関する原審の解

釈が誤つていることを主張するに過ぎないのであつて憲法違反の問題とは認められ

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ないから上告の理由として採用することはできない。

同第七点について。

論旨は、原審に事実の誤認があることを主張するものであるから刑訴法第四〇五

条に規定する上告の理由には当らない。

以上に説明したように、本件諭旨はすべて上告の理由としては採用することがで

きないばかりでなく、刑訴法第四一一条に規定する事由にも当るものとは認められ

ないので、同法第四〇八条に従い、主文の通り判決する。

この判決は、当小法廷裁判官全員の一致した意見である。

昭和二五年五月一六日

最高戎判所第三小法延

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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